ニュースウォッチ9によるとアメリカで電子書籍が63万点であるのに対して、日本ではたった5万点しか販売されていないそうです。。
そのコンテンツ不足が自炊(=本をバラバラに裁断してスキャナで読み込みPDF化する作業)が行われる要因になっています。
出版側は個人的な自炊は法律的に問題ないが、業者による自炊の代行は問題があるとして対応を急いでいるようです。しかし、そこに消費者重視の視点はありません。
電子化すればネット上で配布され、被害を被るという超マイナス思考です。一冊200円で自炊を代行してくれる業者が盛況なのは、出版側が既読権に固執して電子書籍への対応を怠り、デバイスがあるのに電子書籍がないという枯渇状況を作りだしてしまったからです。
紙の書籍よりも安価な電子書籍がもっと多く発売されれば、電子書籍は爆発的に広がるでしょう。iPadのようなデバイスに何百冊もの本を入れて持ち歩けるのですから、活字中毒にはたまらない読書環境です。
問題なのは販売点数が少ないだけではありません。個々の出版社が個別に専用アプリで書籍を販売し始めていることです。アメリカのようにAmazonやiBook Storeのような電子書籍の販売サイトが幅広い出版社の書籍を取り扱い、読者はそれに対応する特定のアプリによって多くの出版社から販売される書籍を自由に購入できるという方向へ進んでいないようです。
それもこれも保守的な出版社が紙の出版物を守るために電子書籍を自らの手の中に置いてコントロールし続けたいからです。AmazonやAppleに文句があるならば、日本の出版社が手を組んで電子書籍の販売サイトをやってみろと言いたくなるほどです。
電子書籍への対応の遅れは、過去の栄光にすがり改革をしない落日の日本を象徴するような出来事です。
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