iPadが発売されるとすぐにアメリカの大学(イリノイ工科大学、シートン・ヒル大学など)が新入生へのiPad配布を決め、教育現場でのiPadへの関心度が一気に高まりました。
大学といえば、活字文化の守護神のように様々な講義で資料を配布しまくる訳ですから、配布する側の教員にも、また受け取る側の学生にも大きなメリットが有りますし、学生のITリテラシーの向上にも一役買うでしょう。
すでに日本でも名古屋商科大学、名古屋文理大学、武蔵野学院大学、大谷大学などが新入生への配布を決めています。
資料の配布方法は専用システムを構築する方法と単純にメールで配信する方法がありますが、いずれiPadの利用を前提とした汎用システムが普及することは間違いないでしょう。またiPadの普及によって完全なペーパーレスまではいかないとしても、ある程度紙の消費を減らせるようになるでしょう。
企業においてもすでにiPadを使って資料を配布し、ペーパーレスで会議を行っているケースがあると聞きます。そのような文化が徐々に広まっていくと、配布した資料がデジタルデータとして配布される人の手元にずっと残ることになるので、資料の意味や位置づけに微妙な変化が起こってくるが可能性があります。
1990年代に急速にPCが普及し始めたとき、ディスプレイ上で活字が読めるので紙の消費が減るのではないかと言われましたが、実際はそうはなりませんでした。ご存知のように殆どの人がディスプレイ上で資料を見るよりも、とりあえず実物の紙にプリントアウトして見ているからです。
現代に生きる人達は生まれてから、ずっと紙の資料を読み続けてきたのですから、大人になってPCが普及したからといってディスプレイだけで資料を閲覧するということにはなりませんでした。
しかし、なかなか変わらなかった紙による活字文化もiPadなどのタブレットPCの普及で変化しそうです。今までは、何をするのにもわざわざ重いPCアプリを起動させて使わなければならなかったものが、iPadの登場によって軽いものならば、すぐに起動して作業出来るようになりました。iPadなどタブレットPCのお手軽な大きさ・重さや即起動の便利さが人々の習慣を変化させそうです。
特にこれから積極的に教育現場で使われるようになれば、電子書籍広まり、ペーパーレスが普通になってきます。小学校や中学校から子供たちがiPadなどのタブレットを使いこなすようになれば、電子書籍に対する抵抗感はほとんどなくなります。
そういった意味でiPadはAppleが言うように本当に「革命的なデバイス」であるのかもしれません。例えキンドルが電子書籍の先陣を切ったとしても、爆発的に普及させるのはiPadであり、人々の心に残るのは、iPadが起こした紙からデジタルへの革命的な変化でしょう。
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