The Wall Street Journal(WSJ)が2月9日付けで、Googleが「Drive」というDropboxと同様のクラウド・ストレージサービスの開始準備をしていると報じています。ただし、Googleは問い合わせに対してコメントを拒否しました。
Goolgeの新ストレージサービス・Driveは、任意のWeb接続のデバイスからサーバー上にあるドキュメント、写真、ビデオを読み書き可能で、それを他のユーザーと共有ができるなどDropboxを連想させるサービスのようです。
Googleは以前(2007年頃)に、Gドライブというクラウドストレージサービスを開発していましたが、結局公開されることはありませんでした。そうしていうるちに2007年にはDropboxがDrew Houstonらによって設立され、現在のようにメジャーなクラウド・ストレージサービスとなっています。
Appleもこの動きを指をくわえて見ていたわけではなく、2009年にはスティーブ・ジョブズ自らがDropboxのDrew Houstonと面会し(アップル本社に呼びつけ?)会社の買収を提案しましたが、Dropbox側が拒否しました。
従ってAppleもDropboxのようなストレージサービスを評価していたわけですが、現在のiCloudでは、iWorkドキュメント・PDFといった限られたフォーマットの共有サービスやフォトストリームのようにユーザー側が好きなフォーマットを扱うことができない(自由度の低い)サービスを提供しているだけです。
対するGoogleのDriveは、Dropboxのように扱えるファイルの種類は制限なしで、無料が基本のサービスになりそうです。想像ですが後発組のGoogleはDropboxに対抗するために無料で使用できる容量をDropboxの2GBよりも大きくするはずです。
こうなるとAppleのiCloudが貧相に見えてきます。5GBまでが無料で提供されていますが、iOSデバイスのバックアップが便利なくらいで、正直ユーザーの満足度が高いとは言えません。ライバルのMicrosoftはすでにSkyDriveを提供していますから、Googleがサービスを開始するとAppleだけが出遅れた形になります。
AppleがiCloudのストレージサービスを制限している理由として考えられるのは、データセンターの処理能力の問題やDropboxと同等かさらに優れた同期サービスを提供するための技術的な問題です。しかし、GoogleがDriveを始めることによって、Appleに対して「同等のサービスを提供して欲しい」というユーザーのプレッシャーが強まることは確実です。
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