Samsungは現在、ジョブズ氏の死によって難しい対応を迫られています。
SamsungはAppleに対して予定していたWCDMAに関する特許侵害訴訟(=iPhone 4Sの販売停止)をジョブズ氏の葬儀期間は休止すると発表しました。(ガジェット通信)
また、SamsungとGoogleは10月11日(火)に予定していた新スマートフォンNexus Primeの発表会を「時期が適当でない」として、延期を決定しました。(Engadget日本版)
延期はジョブズ氏に敬意を表してということのほかに、やはり、増殖しているジョブズファン、Appleファン、Appleカルトの存在を無視できないからでしょう。
ここでSamsungが仁義無き戦いを続ければ、ジョブズの信者たちがネット上で大きな声を上げるでしょう。従って葬儀が終わるまでは、何もできませんが、問題はジョブズ氏の葬儀後のSamsungの対応です。
Samsungにしてみれば、訴訟をしかけてきたのはAppleで、Samsung側は防衛のために訴訟を起こしただけだと反論するでしょう。
訴訟に対しては訴訟で対抗し、クロスライセンス契約に持ち込むというのが特許紛争の王道だからです。しかし、物事は合理性だけで進むわけではありません。
Appleカルトたちがネット上で声を上げ始めれれば、一般のiPhoneを使いたい(使っている)ユーザーもSamsungに対して反感を持ちます。特にiPhone 4Sはジョブズ氏の遺作と思われている特別なデバイスです。それを「殺す」となると世界中のジョブズファンが黙っていないはずです。
ネット上での大量の書き込みから始まり、次第にSamsungの不買運動などが起こり、Samsungは大きな痛手を負うかもしれません。なぜならば、世界中にはAppleファンだけではなく、反Samsungの流れによって利益を被るメーカー、従業員、その家族が存在しています。
暫くの間、Samsungは鉾を収めたほうがよいのかもしれませんが、収益(及び高いプライド)を維持するためには、タブレットやスマートフォン分野での生死をかけた戦いに敗れるわけにはいきません。
SamsungはAppleとの訴訟を続ける間、亡霊のように付きまとうジョブズ氏の「大きな見えざる手」に苦しめられるかもしれません。
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