パソコンやモバイルデバイスを使っていて、永遠の課題となるのがアプリのレスポンスの速さです。しかし、実際にはユーザーがOSをやアプリにあれこれと多様性を望んできた結果、(ハードがが向上しているにもかかわらず)ユーザーが小気味よく使えるような(さくさくとした)環境はほあまり実現していません。
初代iPadを使い始めた頃はそうは思はなかったのですが、様々なアプリがiPad用に作成・配布されるようになって、一部にかなり動作の重いアプリも出てきました。
iPad 2の話題はどうしても外部の形状やインターフェイスにに偏りがちですが、iPadというパッケージを構成する上で(ハード面で)特に重要なのはCPUのパフォーマンスであることは間違いありません。iPadに限らずモバイル系のデバイスを開発する際に苦心するのが、パフォーマンスとバッテリー駆動時間のドレードオフの関係です。一方をを立てれば、もう一方が立たずという関係です。
しかし、モバイル機器が発達してきたのは、ドレードオフの関係を技術革新によって少しずつ乗り越えてきたからです。AppleのiPadが重量やバッテリーの駆動時間、動作スピード等のハード面において成立してるのはAppleがARMのCortex-A8をベースに省電力のCPUを開発・搭載したからです。
当然のことですが、iPad 2では、初代iPadより高いスペックが要求されます。iPadの処理能力をアップさせることは当然で、同時にユーザーは大胆な軽量化をお求めています。そのためにはCPUの高性能化と省電力化(=バッテリーの軽量化)が欠かせません。
このトレードオフの関係を改善するための解決法としてリークされているのが、次期iPad用のCPUにARMのCortex-A9ベースのCPUが採用されるのではないかという話です。
Cortex-A9が現行iPadのCPU(A4)のベースであるCortex-A8と決定的に違うのがマルチプロセッシングに対応しているということです。Cortex-A8はシングルコアであるため、マルチタスク実装には限界があり、アプリのバックグラウンド動作をかなり制限した擬似マルチタスクでお茶を濁してきました。
iPad 2でそれを改善するためにどうしても必要なのが、デュアルコア以上のマルチプロセッシングCPUの採用です。
よってCortex-A9の採用はかなり現実的なのですが、問題はCortex-A9ベースのCPUを採用したところで、大胆な総電力化=バッテリーを小型化することはできないということです。
バッテリーをもっと小型化するためには、抜本的な改善(省電力化)が必要となります。そこで出てくる話が、Cortex-A9ベースのNVIDIA社のCPU、NVIDIA Tegraを採用するという話です。
NVIDIA TegraのパッケージにはARM系のCPUだけでなく、GPU、動画のエンコーダ、オーディオ処理などの機能が組み込まれていて、未使用のプロセッサは電力の供給が遮断されるなど、大胆な省電力化が図られています。
現在、NVIDIA TegraはAndroid系のタブレットに採用されているため、Appleがそのまま採用するということはないかもしれません。しかしAppleがiPadの課題を解決するためにその設計思想を取り入れたCPUを開発している(した)可能性はかなり高いと言わざるを得ません。
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