再販制度とは、簡単に言うと書籍やCDの定価販売のことです。(=再販売価格維持制度)
独占禁止法は、公正な競争のためにメーカーとか卸が商品の価格を決めること(=定価販売=再販売価格維持)を禁止しています。
しかし、再販売価格維持、すなわち定価販売が例外的に認められている(=再販売価格維持適用除外制度)商品があります。それが新聞、書籍、CDなどの著作物です。(=著作物再販価格維持適用除外制度)
なぜ例外が認めれれているかというと諸説ありますが、明確なものはなく議論の対象となっています。
では、電子書籍は再販制度の対象になるのでしょうか?
答えは公正取引委員会のホームページにありました。
Q. 電子書籍は,著作物再販適用除外制度の対象となりますか。
A. 著作物再販適用除外制度は,昭和28年の独占禁止法改正により導入された制度ですが,制度導入当時の書籍,雑誌,新聞及びレコード盤の定価販売の慣行を追認する趣旨で導入されたものです。そして,その後,音楽用テープ及び音楽用CDについては,レコード盤とその機能・効用が同一であることからレコード盤に準ずるものとして取り扱い,これら6品目に限定して著作物再販適用除外制度の対象とすることとしているところです。 また,著作物再販適用除外制度は,独占禁止法の規定上,「物」を対象としています。一方,ネットワークを通じて配信される電子書籍は,「物」ではなく,情報として流通します。 したがって,電子書籍は,著作物再販適用除外制度の対象とはなりません。
再販制度は電子データには適用されないということです。ということで電子書籍は小売が自由に価格を決定することができます。
でも、実際にそうなるかは別問題です。電子書籍の場合、出版社が販売価格を決め、販売価格の一部(販売価格×定率)を小売(=Amazonなどの電子書籍ストア)が受け取る契約が多いようです。
スマートフォンのアプリと同じようなやり方です。AppleのApp Storeの場合、アプリ製作者が価格を決め、アプリが売れるごとに価格の7割が製作者に入り、残りの3割がAppleに入るシステムです。
今のところ、電子書籍ストアと出版社の力関係から、出版社が販売価格を管理できるようになっています。要するに電子書籍ストア側は他社との競争のため、より多くの書籍を確保したいので、出版社側に妥協し、比較的出版社側に有利な契約を結ぶ傾向があります。
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