Engadget Japanの記事「ジョブズ、iPhoneアプリの開発制限について直メールで回答」を見ていると、iPhoneやiPadをデファクトスタンダードとするために、ジョブズの徹底した態度が見えてきます。
Windowsの成功によって、マイクロソフトが巨万の富を得たことは、ジョブズの脳裏に強く焼き付いているでしょう。パーソナルコンピュータでは当初、Appleのマッキントシュが性能で優っていましたが、IBMがマイクロソフトのMS-DOSを搭載したパソコンを販売したことにより、マイクロスフトの時代が始まりました。
その間、ジョブズはAppleを追い出され、ネクストを立ち上げましたが、ぱっとしましせんでした。
したがって、その頃、興隆を極めたマイクロソフトのデファクトスタンダード戦略は強く脳裏に刻まれているに違いありません、
OSと同時に自社のOSに特化した開発環境を開発・提供することにより、マイクロスフトのソフトがどんどん増えていきました。
しかし、Appleはそれにとどまらず、それ以上のことをやろうとしています。 iPhoneやiPadのアプリを完全にコントロールするだけでは飽き足らず、開発環境や言語の種類まで支配しようとしています。
しかし、これは諸刃の剣です。上り調子の時は囲い込みが有効ですが、一旦下り坂になると、クロスプラットフォームでない開発環境での開発にはコストがかかるので、開発者がイッキに逃げ出します。
企業は開発コストに敏感です。PS3が発売されたときに開発するのに膨大なコストがかかるために、開発企業は開発を躊躇しました。
ジョブズはこだわりの人で、それが最近のAppleを成功に導いてきたことは疑いありませんが、あまりに自由度が失われ、窮屈になると新しいトレンドへ開発者が逃げ出してしまいます。
ぜひそんなことがないようにお願いしたいものです。
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