iPadがネットサーフィンをしたり、YouTubeなどの動画を見たり、電子書籍や電子雑誌を見るためには。とても素晴らしい製品であることは間違いありません。(少なくとも私はそう感じています)
ほかにも、外出が多くて、なおかつメールが大量に送られてくるような人は、外出先でのメールをチェックするのにとても便利な製品です。
しかし、それ以外のこととなるとスマートフォンとネットブックの狭間の製品として簿妙になってくるのは事実です。
ForbsがイギリスのiPadユーザーを対象としたThe Resisterの調査について報じています。
その調査によると、iPad所有者1531人のうち42パーセントがほぼ毎日iPadを使用していて、ほぼ半数の46パーセントがiPadに金を払う価値がないと考え、18パーセントが売りたいと考えています。
また、ユーザーの25パーセントが週に1回以上、iPadを使用していて、その半数には何らかの使う理由があります。(ほかのユーザーは何となく使っている?)
イギリスのユーザーの多くがWi-Fiモデルを所有しているため、アメリカに比べて公共のWi-Fiスポットの整備が遅れているイギリス国内では、iPadの良さが発揮できていないようです。
残念なのは、Samsungのギャラクシーなどの他社のタブレット調査は行われていないことです。またネットブックなどのPCとの比較もありません。
林檎:この調査から推測できることは、イギリスの多くのユーザーはiPadの価値を考えないまま、流行で購入したり、クリスマスシーズンに家族にプレゼントしたのではないかということです。
特に明確な使用目的を持たずにジョブズ氏が放つ強力なマジックに酔って購入した人は、実際使ってみると(公共の場でWi-Fi環境が整備されていないイギリスの状況では)持ち運びの便利さを甘受できず、結果的に使いにくいということになるのではないでしょうか。
さて、日本ではどうでしょうか?
日本ではWi-Fi環境がかなり整備されている同時に、モバイルルーターも普及していますから、3Gバージョンでなくても、外出先で使う環境はかなり整っています。(たとえば全国展開のWi-Fiスポットとしては、マクドナルド・チェーンがあります)
モバイル・ルーターはWiMAXやイモバが月額3880円という比較的低額で利用できるので、これらを活用すれば外出時の活用環境はバッチリです。
しかし、それらの環境がいくら整っていても、何らかの明確な利用目的(ソファやベッドに寝転んでのネットサーフィンや動画鑑賞、電子書籍・雑誌の閲覧、またはモバイル環境でのメールチェックや簡単な文章作成など)がなければ、iPadの購入は失敗に終わる可能性が高いといえます。
iPadに命を吹き込んだジョブズ氏が亡くなり、さらに経済の停滞で所得の減少が続く中、iPad購入に対する視線は、今後さらに厳しいものとなることは間違ありません。
従ってiPad(タブレット全体)にとって、これからが正念場です。もっと使いやすく、軽量化、薄型化が進められなければ、ユーザーは画面が小さくて、少し使いにくいけれど、現在持っているスマートフォンで十分だと考えるでしょう。
来年発売予定のiPad 3は、せっかくできあがりつつあるタブレット市場を破壊しないためにも、良い意味で期待を裏切るような製品であることが必要で、ユーザーが失望するようなiPad 2のマイナーバージョンアップではならないのです。
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