AppleはWorldwide Developers Conference (WWDC) 2011」を6月6日から5日間、サンフランシスコで開催することを発表しました。話題は、このカンファレンスの中心となる「iOSのとMac OSの未来」という内容で、iPhone5の発表はないのではないかという観測がなされています。
例年、6月のWWDCでは新型iPhoneが披露され、その後、一か月以内にリリースされるというパターンですが、今年はOSの発表を中心としたイベントになりそうな気配です。確実なのは夏にリリースされると思われるMac OS X "Lion”が発表されるということです。
このカンファレンスでAppleは、iOSデバイスとMacの関係をクラウド活用で強化し、そのコンセプトを大々的に発表して、話題をさらう目論見かもしれません。やはり、注目はクラウドというキーワードです。すでに1年以上も前からiTunesのクラウド化が予想されていますから、クラウドを中心に据えた戦略で望むことは間違いないでしょう。
クラウド戦略の他に、Apple製品ラインナップの中の重要度が変化してきているということもWWDCの内容が変わった要因です。要するにApple内でiPhoneとiPadの重要度が高まり、今まで秋に発表されていたiPodの重要度が低くなっています。
Appleにとって4月にiPadをリリースし、その2ヵ月後の6月にiPhoneをリリースするのは、iOSの開発陣、デザイナーのほか、部品の調達や、生産の関係が非常にタイトになります、iPodの売上が低調になっているので、その代わりiPhoneの発売時期を秋に変更するのは自然なことかもしれません。
この度、iPad 2の発売が4月ではなく、iPadの発売から1年未満の3月上旬となったのは、製品の発売スケジュールの見直しがあったからと推測されます。
以下はWWDCにおけるOSの未来で発表される可能性の高い今後、Appleが成し遂げようとしていることです。
*iOSとMac OSの連携の強化、統合化
*クラウドを重視したiOSの機能強化
*iTunesのクラウド化とAppleエコシステムの強化
Appleはコンシューマ市場においてユーザーのコンピュータ、スマートフォン、タブレット、TVとそれらに対する音楽、映画、アプリなのどコンテンツの提供のすべてをAppleが独り占めしてまおうという作戦をとっています。
おそらくAppleはiPhoneに続くiPadの成功によって、その自信を一層深めたに違いありません。ユーザーが、Macで書類やプレゼン資料を作成し、iPhoneで電話、FaceTime、メール、Twitter、ゲームなどを行い、iPadでウェブ・動画や迫力のあるゲームを楽しみ、Apple TVでもHDの映画やゲームを楽しむ。そして、音楽はiTunesクラウドに保存し、データはMobileMeに保存することによって、Apple支配を強める作戦です。
特殊な用途でない限り、Windowsはいらない環境づくりを目指しAppleフリークを増やそうとしています。それが軌道に乗りかかっている現在、6月のWWDCでどのような意外性のある戦略を打ち出そうとしているのか非常に楽しみです。
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