もう1年以上前からiTunesのクラウド化の話が出ていますが、いまだに何の音沙汰もありません。この噂が本格的に出てきたのは2009年12月に音楽のストリーミングサービス提供企業であるLalaを買収してからのことです。
Lalaは音楽ストリーミングを格安で聴くことができるサービスを提供していました、このサービスはあまり成功していたとは言えませんが。音楽をストリーミング再生するごとに10セント支払う仕組を提供し、必要ならば追加料金でMP3形式のファイルを手に入れることができました。
Appleが目をつけたのはLaLaのビジネスモデルよりもストリーミング配信サービスの技術であったことは間違いないでしょう。その技術をiTunesをクラウド化し利用するという噂がまことしやかに語られ、誰もがそれを信じてきました。
確かに世はクラウドの時代です。ユーザにとっても、PCを変えるために音楽を移動するのは面倒ですし、どんなデバイスからも自分のライブラリにアクセスして音楽を聴きたいと思うのが人情です。
もしもiTunesがクラウドになり、Appleのデータセンターに音楽が格納されるようになれば、ユーザーはネットがつながるところならば、どこでも自分のライブラリを聴くことができますし、必要ならばデバイスにダウンロードできます。
Appleにとってのメリットはクラウドを利用してもらうことにより、ユーザーを囲い込むことができます。Appleは自らが構築したエコシステムの中からユーザーを逃がすリスクを減少させることができます。
9 to 5 Macによるとクラウド化されたiTunesは秋のミュージック・イベントで発表されるのではないかということです。驚くべきことはAppleのブラウザであるSafariにiTunesがサイドバーとして組み込まれるという予想です。
もしもこれが事実であるならば、かなり強力な囲い込みです。既存のiTunesユーザーは否応なしにSafariを利用するようになります。現在、ブラウザのシェアでGoogleのChromeにしてやられているAppleにとって起死回生の一手です。
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